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五月の庭便り

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イギリスが一番輝く季節と言えば、バラの開花の最盛期。それぞれの季節にそれぞれの美しさがありますが、やはりイギリスではバラの季節には敵わないと思います。そして四季咲きのバラでも、最初の初夏の開花時が最も花数が多く、花自体の美しさも格別です。
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期待した通り、そのバラの季節が今年は大分早くやって来ました。イギリス南東部では、例年は五月末にバラがちらほらと咲き始め、六月中頃から下旬位が最盛期です。しかし今年は一ヵ月程早く、四月から咲き出すバラもあり、東京での開花時期と大差ありませんでした。
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しかし姉の話では、東京ではもうバラの季節は終わり掛けだそうで、今年は暖冬で東京でもバラの開花が早かったのかも知れません。
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まず今年最初に、我が家の庭でモッコウバラに先駆けて咲いたバラは、ER(イングリッシュ・ローズ)の「ザ・ハーバリスト」でした。でもこれは、昨年の冬から既に蕾を付けていたので、ちょっと反則かも知れません。開花時期の長い品種のバラは、「初霜が降りるまで」咲き続けると言われていますが、実際には真冬でも咲いているバラは結構多い物です。
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次に咲き始めたのは、R(ランブラー)の「オープン・アーム」とHT(ハイブリット)の赤い蔓バラ「スパークリング・スカーレット」でした。この赤バラは、品種的に毎年開花時期が早いようで、昨年私が日本から戻って来た時には、既に最初の開花が終わっていました。
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本来なら、どんなバラよりも先に咲くはずの「レディ・バンクス・ローズ (八重黄木香バラ)」。中国原産で刺が全くなく、高温多湿の日本では最も栽培が簡単なバラと呼ばれています。イギリスでは耐寒性がギリギリの為、冬の西日の当たる場所に植えるのが推奨されています。うちのは無事元気に育ってはいますが、今年は花が二房しか付かなかった…。多花性自慢のモッコウなのに。
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バラの最盛期より、一足早く咲き揃うのがライラック。今年はライラックの花付きが良く、芳香も一層強いように感じました。この小さな木一本で庭中香るし、窓を開けると家の中までライラックの香りに包まれました。心無しか、いつもより花色も青味が強くて美しいような。
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そして今は、庭はバラの香りに溢れています。元々芳香の強い品種を好んで植えていますが、一言バラの香りと言っても、品種に寄ってかなり異なります。
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我が家のウォルド・ガーデンのように高い塀に囲まれ狭い庭の中で、車庫の西向きの壁は最も陽当たりが良いようで、概ねバラの開花も早く花付きも抜群です。
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蔓バラに仕立ててあるER「ゴールデン・セレブレーション」は、花弁の一つ一つが大きい為、花付きが良いと眺めが圧巻。
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「ゴールデン・セレブレーション」の黄色自体も、山吹に近い華やかな色です。この後、散り間際に縁だけピンク掛かるのも美しいのです。
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一方ER「グラハム・トーマス」の黄色は、透明感と暖かみのある黄色。
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ER「モリニュー」の黄色は、爽やかなレモン・イエロー。
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黄色と言うよりアプリコットに分類されますが、ER「クラウン・プリンセス・マルガリータ」。
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こちらは、中心のみが黄掛かったER「クロッカス・ローズ」。
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アーチのバラでは、「クラウン・プリンセス・マルガリータ」が最も早く開花し、続いて数週間後に「ニュー・ドーン」と「ロウブリッター」も咲き始めました。
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アーチのバラが咲き揃うまで、あと一歩。その時が、私の庭のバラの最盛期だと思っています。
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うちには赤バラは少ないのですが、この「ポールズ・スカーレット」の正に真紅のベルベットのような花色は、圧倒的な美しさ。蕾の時は、実は黒に近い色なのです。しかし、赤バラの色を正確にカメラで拾うのは難しい…と痛感します。
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バラは、蕾の魅力も様々です。このOR「マダム・イザーク・ペレール」とER「ジュビリー・セレブレーション」の蕾は、ころんと可愛い丸い形。
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反対に、ER「ザ・レディーズ・ブラッシュ」やこのER「スカボローフェア」の蕾は尖っています。どちらも花弁自体はカップ咲きなのに、特に「ザ・レディーズ~」の蕾は、まるでキャンドルの灯のような形です。「ザ・レディーズ~」は咲き始めたばかりで、これからが本番です。
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バラの植木鉢に、毎年オレンジ色のカルフォルニア・ポピーが勝手に生えて咲きます。それが、今年はペイヴィングの間からも生えて来て、零れ種で育ったのかと思ったら…、
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…全てクリーム色の花でした。何処からか、違う種が飛んで来た?? そもそも、カルフォルニア・ポピーって、一年草のはずなんですけど、宿根草のように毎年同じ場所から育ちます。根が牛蒡のように深い為、移植が出来ません。
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我が家のバラの下草としてメインで活躍するのは、耐寒ジェラニウムこと風露草(ちと多過ぎ)。
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風露草の世界も弱肉強食で(笑)、寄り勢力の強い品種ばかりがどんどん増えて行きます。この「曙風露」には、生き残って欲しいなあ。
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バラと共に、背の高いデルフィニウムの花も咲き始め、イングリッシュ・ガーデンらしい景観を作ります。毎年種から育てますが、ここまで大きく育つのは極僅か。数多いデルフィニウムの花色の中でも、この紫の混じった濃い青は、特に美しいと思っとります。
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続いて前庭です。公道に面した前庭は家屋の北側にあり、冬は陽当たりが非常に悪いのですが、歩道に沿った部分は、太陽の位置の高い夏には、返って南向きの裏庭より陽当たりが良い程です。
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グランドカバーのセラスチウムは、歩道にはみ出す勢い。
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今年は、バラと同時期に開花する、花色の相性もばっちりのアリウム・ギガンチュームを植えてみました。綺麗に咲いてくれましたが、一体何年持ってくれることやら…。ここに植えたチューリップも、多くは消えて行きました(涙)。橙色のバラは、ER「レディ・エマ・ハミルトン」。
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ER「セプタード・アイル」。背後の住宅地の合間の緑地が、草伸び放題なのにお気付きでしょうか? この部分は町が管理していて、いつもなら割とマメに草刈りをしますが、今はコロナの影響で出来ないようです。そのせいで、恐らく花粉症の人も、今年は一層大変なんじゃないかと。
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黄色いバラなんて、全く興味がありませんでしたが(そもそも、イギリスに住み始めるまでバラに興味が無かった)、気が付けば、今うちには結構黄バラがあります。これはER「バターカップ」。
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元々私の庭造りのテーマが、「クリーム・ティーの美味しい庭」でした。やっぱり、バラの咲く庭で飲むお茶は最高です。…熱い紅茶を飲むには、ちと暑過ぎる日もあるけど。
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今年のイギリスのバラの季節の天候は、雨が少なく(水撒きは大変)極めて良好です。NT等の庭園のバラは、さぞ美しく咲き競っている事だろうと想像します。しかし、コロナのせいで見に行く事は出来ません。非常に残念だと思うのと同時に、自分に庭があって良かったと改めて感じます。






by piyoyoyonyon | 2020-05-27 15:31 | ガーデニング・植物


こんにちは! ぴよよんです。英国から蚤の市等で出会った愛しのガラクタ達を御紹介する雑貨手帖も3冊目となりました。1冊目、2冊目と共に宜しくお願い致します。


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