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早春のアッシュダウンの森

P太の誕生日の三日後は、私自身の誕生日でした。やはり通年通りに有給休暇は既に予約してあったし、健康のウォーキングの為にも出掛けた方が良いので、くまのプーさんの聖地Ashdown Forest アッシュダウンの森へ行く事にしました。
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今回は久々にくまプーの有名な「棒投げ橋」を訪れる予定でしたが、最寄りの駐車場を見付けられず(…建物じゃないのでナビが上手く機能しない)、思いがけずHartfield ハートフィールドの村まで辿り着いてしまいました。ここは、村の端の「プー横丁」と言う名の店。
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ティー・ルームとプーさんグッズのお土産屋さんになって、いつもなら観光客でいっぱいですが、この時は都市封鎖中で閉店しています。
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窓辺では、プーとイーヨーがお茶しています。
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やっと目当ての駐車場に到着。棒投げ橋の川は谷底に在る為、ここから遊歩道を下って行きます。
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この辺りは、アッシュダウンの森では「珍しく」木々に覆われた森らしい場所です。ただし生えているのは、概ねcoppice コピスと呼ばれる若い木です。
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その側には、こんな説明のサインが掲げられていました。コピスとは薪や塀に使用される下生えの小さな雑木の事で、元々定期的に刈り取って管理する必要のある木材ですが、そうとは知らない(科学的知識の足りない気持ちだけエコ意識の高い)人が、木が伐採されているのを目撃するだけで、環境を破壊している!と騒ぐかららしいです。
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途中の遊歩道脇には、こんな物も。試しましたが、意外と高くて怖い(笑)。
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木の上に、こんなお茶目な物も。
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この日も、日差しの薄い天気でした。ただし寒くはなく、歩くのには丁度良い気温です。
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犬の散歩中の人の数組とすれ違い、15分ほど歩いて谷底の川に到着。川沿いには、最近建てたばかりに見える真新しいフェンスが。
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川の土手には、穴が無数に開いていました。恐らく、water vole 川ネズミの巣と思われます。
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この場所は当然子供に大人気で、以前訪れた時は、夏休み中だった事もあり子供連れでいっぱいでした。しかしこの日は、既に都市封鎖緩和で学校が再開されていた事もあり、棒投げ橋独占!
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とは言っても、未だ新緑には程遠い季節で寒々しい眺めだった上、人気児童書の舞台と知らなければ、正直言ってさして感動的に美しい場所ではありません(笑)。
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おまけに、実はこのすぐ側が住宅地だし。
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そして、何だか川の水も綺麗に見えない…。
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これは汚染されている訳ではなく、元々ここの土壌に鉄分が多く、所々から赤いサビ成分が流れて出て来ている為です。
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また、この一帯からはシェール・オイルも採掘される為か(物凄い地下深くからだけど…)、土壌から天然油分も川に滲み出て来ています。
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とは言え、こんな注意書きがあるのにも関わらず、やはりゴミも落ちています。特に、犬フンをビニール袋にわざわざ入れて、木にぶら下げて帰るのが、ここ数年のイギリスの犬の飼い主のトレンドのようで、一体どう言う神経なのか全く理解不能。このメルヘンの舞台でさえ、あっちもこっちもクソの成る木だらけで、P太が「何せここはpoo-poo横丁だからな!」と吐き捨てて爆笑。
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続いて高原地帯に車で移動し、「Four Counties Car Park」と言う眺めの良い駐車場で、持って来たお茶とおやつを頂きました。この森の無料駐車場にはそれぞれ名前が付いていますが、ここはその名前から、かつては4つの州が見渡せる場所なのかも知れません。
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お茶の後、駐車場の周囲も散歩しましたが、長い雨季の後なのに、ここは地面や下草がカラッカラに乾いていて、非常に燃え易いのが分かります。煙草のポイ捨てなんて、持ってのほか(何処でもそうだが)。そう言えば、一昨年前にここを訪れた直後も、山火事が発生していたなあ…。
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花期ではありませんが、この一帯はヒース(ヘザー、またはエリカ)で覆われています。広大なアッシュダウンの森でも、ヒースがこんなに集中している場所は珍しいかも知れません。開花時期に一面のヒースの荒野を眺めたい時には、ここへ来るのが一番じゃないかと思いました。
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ヒースの合間には、非常に若い松の木が点在しています。これは植栽ではなく天然で、多分この一帯は、ここ数年の内に起きた山火事で木が焼け消えた後に、ヒースや松が一早く成長したのではないか? だから松の木の大きさが均等なのでは?とP太は考えました。
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そして、ヒースの荒野は丁度高い木の生えている辺りまでで止まっており、それ以降の先は森になっています。これらの木の中には焼けたまま枯れ立ちしている物もあり、山火事がここまでは迫って木を焼いたのは明らかです。
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実際、地面には焼け焦げた跡も残っています。
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P太は典型的な理数頭脳なので、やはり着眼点が私とは違うと感心しました。もし私だけだったら、そんな生態系までは深く突っ込んで考えなかったと思います。


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by piyoyoyonyon | 2021-04-06 15:27 | 旅行・お散歩


こんにちは! ぴよよんです。英国から蚤の市等で出会った愛しのガラクタ達を御紹介する雑貨手帖も3冊目となりました。1冊目、2冊目と共に宜しくお願い致します。


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